お墓の相続

意外と知られていない相続の対象として、「お墓」があります。

まず、お墓の相続というのは、誰が相続できるのかが明確に決まっていません。
時々、お墓の相続は長男であり、長子に値する人が相続すれば良い・・・という意見を目や耳にするのですが、明確な根拠が無いので、長子以外の人が相続しても問題ないのです。
というのも、長子が無理矢理相続してしまった場合、法的な処置、及び墓の管理を本当に行ってくれるのかが不透明だからです。
最初は相続した手前で対応してくれるかもしれませんが、このような関係が長続きするとは限りません。
そこで、相続に対しての申請があった場合に限り、相続する者が決定するというシステムになっているのです。

ちなみに、お墓の相続というのは祖先の祭祀(さいし)を主宰すべき者・・・というふうに、祭祀を前提として定まっている傾向にあります。
祭祀というのは、三回忌などの法要を主宰する場合を主に言うので、法要などを行う際に責任を持って対処できる人が、お墓の相続であり管理を行うのが最適であると考えましょう。

実際に、近年ではお墓がしっかりと管理されていないケースも増えてきました。
他にも、法要などを一切行わないで、お墓の清掃なども業者に頼りっぱなしというケースが増えているのです。
このようなトラブルが発生する原因に、長子として威厳であり見栄が存在し、最初は家督を継ぐのと同じような気持ちで、潔くお墓の相続を行うケースが多いのですが、しかし、その後は段々とお墓の清掃などをサボるようになるのです。
酷いケースでは、家族、親族を含めた問題になり、家族関係そのものが怪しくなるので、安易にお墓の相続を受けるのは良くありません。

お墓の継承

お墓の相続ではなく継承についてですが、相続と継承は似ているようで別物なので注意してください。

継承の場合、相続とは違って税金の問題が必ず発生する際に用いられます。
つまり、継承の権利を得たいのか、それとも放棄するのか・・・という場合に、お墓の継承が使われているだけなのです。
ただ、税金の問題と言っても、祭祀財産と呼ばれるものは非課税対象になっているので、そのことを忘れないようにしてください。
このような税金が本来は発生しないものに対しても、継承する側が良く知らなかったために、家族、親族に対してお墓の継承を嫌がり、後になって、非課税対象ということを知って恥をかくケースも存在します。

それと、継承という行為は役所に対して死亡届けを出すと、次いで受理されるものでもありません。
お墓を管理している霊園などに対して電話連絡を入れて、お墓の継承に関する手続きの相談、そして書類上のやり取りを終えて、はじめてお墓の継承を終えることができるのです。

お墓の相続と継承に関する費用