故人の遺骨は、分骨することもできる

故人の遺骨は通常、骨壷と呼ばれる壺に入れて、ひとつのお墓に祀ることになります。
しかし場合によっては、遺骨を複数の場所にあるお墓へ分けることができます。
これを「分骨」といいます。

分骨はあまり一般的にするものではないものの、知っておくと役に立つことがあります。
そこでここでは、分骨について紹介します。
家族や親族が納得のいくように、故人の遺骨を収めましょう。

分骨をする理由

分骨をする理由には、さまざまなものがありますが、代表的なものを紹介します。
ひとつ目として、「兄弟が離れた場所に住んでいる場合」が挙げられます。
両親のお墓は、定期的に訪れたいと思うのが普通の考えです。

ただ、場合によっては兄弟が離れた場所に住んでおり、片方の人に近い場所へ遺骨を収めると、もう一方の兄弟にとってお墓参りをしにくくなることがあります。
こうした場合は分骨をして、兄弟がお互いに遺骨を近い場所のお墓へ納めることで、お参りをしやすくすることができます。

2つ目として、「宗教上の理由」である場合もあります。
宗教によっては故人の遺骨をお墓だけでなく、宗教の総本山の地に納めることがあります。
こうしたときには分骨をして、遺骨の一部を総本山の地へ持っていくことがあるのです。
これは昔から行われている習慣であり、故人がその宗教を熱心に信仰していた場合は、特に分骨をする必要があります。

また、3つ目として「故人に対する気持ちの強さ」から、分骨をすることもあります。
例えば両親が亡くなったときに、「遺骨を自分の手元に置いておきたい」と考える人は比較的多いです。
こうした場合には分骨をして、遺骨を自宅に置いておくことがあるのです。

このように分骨は、さまざまな理由から行われています。
分骨をする可能性があるときには、こうしたケースを振り返ってみると良いでしょう。

分骨の方法を紹介

分骨は勝手に行うことができず、所定の流れに沿って行う必要があります。
また、分骨を埋葬して行う場合には、市町村役場に申請をして許可を得なければいけません。

分骨の方法として、まずはすでに埋葬を終えた遺骨を分骨する方法があります。
この場合は役所の許可を得てお墓から遺骨を取り出し、新しいお墓へ収めます。

もうひとつの方法として、火葬のときに分骨する方法もあります。
このときは2つの骨壷を用意して、火葬証明書という書類を用意します。
火葬を終えたら遺骨を用意した骨壷に分けて収めて、お墓に収めます。

分骨は以上のようにして行います。
どちらの方法で行うかは自分だけで決めず、家族や親族と相談する必要があります。
全員が納得する形で、正しく分骨を行いましょう。

複数の場所に分ける分骨とは